「アートロック」を標榜するCLAN QUEENの初ワンマンツアー、初日のWWW公演。とにかくすごいものに立ち会った、という衝撃がじんじんと体中を侵食して放心したまま帰路についた。
CLAN QUEENは、寄る辺ない現代を生きる僕らの空虚な心に「愛とは何か」という問いを絶えず投げかけていて、楽曲や映像でもその「答え」の一端を見つけることができるのだが、ワンマンライブでは巧みに構築されたセットリストを通してその「答え」の全貌が目の前に提示されたような感覚になった。
yowaの声は時に業火のように荒れ狂い、時に体温で溶ける雪のように透き通り、マイの肉厚なベースはCLAN QUEENの要であるグルーヴを自由自在に操って、物語の首謀者であるAOiは閃光のようなラップとギターで絶えず観客をアジテートしていく。CLAN QUEENからの猛攻を受ける僕らは、今夜のために編み直された物語の中をただ自由に踊っていればよかった。
今回のツアーはなんと4公演すべて内容が異なるとのこと。既に全公演ソールドアウトしているけれど、来年夏にZepp公演を含む2ndワンマンツアー開催が決定! そしてCLAN QUEENはCOUNTDOWN JAPAN 24/25への出演も控えている。フェスという舞台で見せてくれるまた別の「答え」が楽しみでならない。(畑雄介)
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CLAN QUEENの初ワンマンツアー初日、「何かとてつもないものを観た」という衝撃が抜けない
2024.11.09 21:50