1月に発売した『ROCKIN'ON JAPAN 3月号』のインタビューで「2024年は1個のチームを統率するイメージで、フロア側の人間をステージに引き込むこんでいった」と語ってくれていたが、24年12月の武道館公演はそれがまさしく体現されたライブだった。それから約半年経った今日、彼らは更に進化していた。
1時間、テンション上がるしかない怒涛のセットリスト。
いつも以上に体全部を使って、表情の一つひとつまで音楽になって、一人ひとりに愛を伝えるパフォーマンスで熱を注がれた客席の手は上がりっぱなしの大合唱で、高揚感いっぱいだ。
代々木体育館でフリーライブをするなんて前代未聞の挑戦をやってのけたのには、たくさんの理由があったと思う。
普段ライブ会場に行けない「あなた」に会うため。
20年を少しでも支えてくれた「あなた」にありがとうを伝えるため。
5年前メジャー復帰した時に断念した代々木公園野外ステージでのフリーライブのリベンジをするため。
でも、それだけじゃない。
ライブ中、
「責任が一切ない状況でどれだけの音楽ができるか、俺たちの真価が問われてると思ってる」
と渋谷は言った。
「お金を稼ぐ」ことの苦労を知っているからこそ「お金を使う責任」も、その楽しさも知っている4人は、それがない中でどこまでパフォーマンスできるのか、自分たちに課していた。
音楽は一人でもできる。
でも一人だと楽しさに限界がある。
だから、これからも「あなた」と進化し続ける関係性を作り続けるために、4人は今日この場所に立ったのだと思う。
たまには普通に祝われて欲しいけど、どんな時でも一切目を逸らさずに今を見ている4人だからこそ、この先の景色を一緒に見たいと思えるのだ。
ちょっと遅いけど、20周年本当におめでとう。
JAPANはこれからも追い続けるのでよろしく!(大橋麻里奈)
『ROCKIN'ON JAPAN』6月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。