ロッキング・オン編集後記──偉大なるダンス・ロックの系譜

いつになく企画が浮かばなくて編集部一同うーんうーん唸ってばかりの編集会議が終わろうとしたときに突然するするするするーっと頭から出てきたのがこの『ダンス・ロックの系譜』の特集でした。
ダンスミュージック特集でもなくクラブミュージック特集でもなく、『ダンス・ロックの系譜』。

このタイトルと「表紙はケミカル・ブラザーズの『ディグ・ユア・オウン・ホール』のジャケで!」という無茶振りに近い提案を、全員20代の若手編集スタッフは瞬時にすべて理解してくれて、そこからはまさに畳み掛けるようなビート感で一気に制作を進めていったのがこの特集でした。
結局、表紙はケミカルのジャケではなくなった(実際に作ってみると、寂しげな女の子の黒地の横顔が、シンガーソングライター特集号の表紙みたいに見えてしまうのでアンダーワールドのカールのライブ写真に変えました!)のですが、これは世界にも例を見ない史上初の画期的な『ダンス・ロック総括本』になったのではないかと思っております。
ダンス・ロックとは、もはやロックとダンスミュージックのランダムなクロスオーバーではなく、一つの大きな物語を形成するムーブメントなのだということが、この特集で改めて見渡せるはずです。(山崎洋一郎)

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