というわけでまずは細美武士のインタビューについてですが、実はこの日のインタビューはもともとthe HIATUSの野音のライブアルバム『Sunset on the Rails 2024.08.18』リリースのインタビューとしてセッティングされたもので、僕としてはわりとカジュアルにthe HIATUSのこれまでの足取りや音楽性の進化を振り返ってみようかなとか思っていました。ですが、読んでいただければ分かる通りひと言も目が離せないほどの衝撃的で極めて重要なインタビューになりました。
ご存じように細美はELLEGARDENでもthe HIATUSでもMONOEYESでもテレビの歌番組には絶対に出ないし、メディアやSNSで常に自分を発信するということはしません。大切なことはライブで、目の前の人たちに向かって直接語りかける、そういうコミュニケーションが原則です。でも限られたコアなメディアでは、自分の考えのすべてを確信的な言葉でしっかりと伝える、そういうアティチュードのアーティストです。
これまでも、エルレが活休に入る時、新たな活動を始める時、エルレ復活の時、そしてニューアルバムが完成した時、そうした重要な節目では自分の考えをすべてさらけ出しながら、たどり着いた結論について明快に言葉で語ってきました。そしてそういう場として、細美は必ず本誌を選んでくれました。そして今月号でのインタビューもそういうものになりました。
3つのバンドを並行して展開する(できる)今を迎えたからこそ、その状況の中でこれから何に向かって進んでいくのかという大きな決意──というよりも、細美武士というアーティストの物語のクライマックスへ向けての決意をすべて明かしてくれました。これは日本のロックの歴史に刻まれるインタビューになると思います。そして、それを語るべき場として今回も本誌を選んでくれたことを僕は誇りに思います。
というわけでもうすぐ目の前にはJAPAN JAM開催が!という慌ただしい編集部からは以上です。来月号もよろしくね。(山崎洋一郎)
『ROCKIN'ON JAPAN』6月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。