それはいわばバーチャルリアリティの真逆の世界のようでもあった。人工的なものが現実のように感じられるのではなく、目の前に提示されるものすべてがリアルだからこそ、今の自分が生きている現実世界をいっそう信じたくなくなったのだ。
他でもないエディ・ヴェダーの来日公演の話である。ソロ名義では初となる彼のジャパンツアーは4月14日に名古屋で幕を開け、大阪、京都での公演を経て、同20日、東京で最終夜を迎えた。彼を看板とするパール・ジャムは過去に2回(1995年、2003年)しか日本を訪れておらず、この国のファンの間では「アメリカに行かないと観られないバンド」との認識が年々強まりつつある。
ところが彼個人は昨春にはMLB東京シリーズ観戦のために日本にやって来ていて、たまたま同時期に行なわれていたジャック・ホワイトの東京公演に飛び入りしていたりもする。
そして、それからわずか13ヵ月後、諦めかけていた夢がこうしてあっさりと実現することになった。確かにこれはパール・ジャムの公演ではないが、願ってもない貴重な機会であることは間違いないし、この先の流れに繋がるのではないかという期待感を抱かせずにおかない。
文=増田勇一
(以下、本誌記事へ続く)
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