7月1日に行われたW杯のイングランド対コンゴ戦で、イングランドが2−1の逆転勝ちを収めた。ここまでくると、試合後に“Wonderwall”が歌われる光景は、完全に今大会の名場面のひとつとなった感がある。テレビ局側もその瞬間を押さえる準備をしているように見えるし、選手たちも一緒に大合唱する準備ができている。実際、誰もが一緒に歌っていた。
リアム・ギャラガーも、「カモン、イングランド、カモン、“Wonderwall”」と応援している。
さらに「この神がかったバイブスを続けようぜ。俺たちが権力を預けた政府がそれをもたらせないなら、あとは民衆の出番だ。カモン、イングランド!」とも投稿。
ちなみに、ノエル・ギャラガーは、自分は特にイングランドのファンではないと語っている。恒例の「talkSPORT」に出演し、現在開催中のW杯についてコメント。イングランド代表のファンではない理由から、イングランドが優勝して、“Wonderwall”が合唱される可能性、さらに息子2人と準決勝、決勝を観に行くことなど語っている。
「talkSPORT」はこちら。
以下、内容の要約。なお、この番組は先週配信されたものなので、会話で語られている試合の中には、すでに行われたものもある。
⚫︎”Wonderwall”が、クロアチア戦の後に合唱されたことについって。もしイングランドがW杯で優勝して、“Wonderwall”が合唱されたら?
「そうだね。あれは(クロアチア戦後の合唱)本当に素晴らしい瞬間だったと思う。自分が見ているのも信じられないくらいだったよ。
The Sun紙の人たちにも言ったけど、あの曲はもうみんなのものなんだ。だからああやってみんなが歌っているのを見るのは素晴らしかったし、ジュード・ベリンガムが歌詞を知っていたのには本当に驚いたよ。でも、まあ、そういう曲なんだ。
もしイングランドが決勝まで行ったら…...俺の息子2人も一緒に行くことになってるんだ。あいつらはイングランドのファンだからね。そこで見ることになるよ。
俺は、“まったく、お前らどこまでツイてるんだよ。この幸運なガキどもめ”って思うよ。シティの4連覇も見て、チャンピオンズリーグ優勝も見て、今度はニューヨークでイングランドがW杯の決勝を勝つところまで見ることになったらね。しかも、そこで親父の曲が歌われたりしたらさ。今の人生だけでもできすぎなのに、まだそんな瞬間まで味わうのか、っていうね。
でも、イングランドは組み合わせをどう乗り切るかにかかっていると思う。可能性がないとは言わない。ただ、フランスは本当に強烈に見える。スペインもそうだ。スペインは、ただただ崇高だよ。
それに、メキシコと、メキシコで当たるとなったら、イングランドにとっては厳しい試合になると思うよ。はっきり言っておくけど、俺はあのスタジアムが満員の時に行ったことがある。あそこは本当に狂気だよ。もしイングランドがメキシコシティのアステカでメキシコと対戦するなら、観に行くには最高の試合になる。信じられないような試合になると思うよ」
(*イングランドが勝利したため、7月5日メキシコでイングランド対メキシコ戦が行われる。)
「でも、大きな試合っていうのはそういうものだからね。今回のW杯はもうすでに十分楽しんでいる。カーボベルデとか、ああいうクレイジーなチームも面白いしね。正直、どこにあるのかよく分からないようなチームも含めて。でも、これから一気に爆発するよ。すごいことになると思う」
これは、6月30日、メキシコがエクアドルに勝った後の、まさに「狂気」の祝祭。
⚫︎観に行くのは決勝だけですか?
「いや、準々決勝の時期にはLAにいるんだ。だから準々決勝も観に行くことになる。俺と息子2人で行くんだけど。最高の2週間になるよ。
まずLAに1週間行って、そこで準々決勝を観る。そこからラスベガスに行って、(コナー・)マクレガーの復帰戦を観る。そしてニューヨークに飛んで決勝を観る。その後ニューヨークで数日過ごしてから帰国するんだ。
これだけの旅を実現してやるんだから、帰ったら“世界一の父親”って書かれたマグカップくらいはもらわないと割に合わないな。すごく楽しみだし、最高の夏になるだろうね」
⚫︎イングランド代表ついて。
ガーナ戦の前にあなたからメッセージが来て、「これは世界で一番退屈な試合になる。ゴールは入らない」みたいなことを言っていましたが、あなたの予想が完全に当たりました(*結果は0対0)。
「いかにもイングランドらしいっていうのもあるけど、ガーナは本当にフィジカルが強いし、体も大きいだろう?スタジアムに入ってくるところを見た時点で、”これは長い夜になるぞ”って感じがしたんだ。イングランドが早い段階で点を取らない限りね。
シティのファンなら誰でも分かると思うけど、ああいう試合はシーズン中に6、7回はある。相手のペナルティエリアにずっと張り付いているのに、どうしてもゴールは入らない、みたいな試合がね。
ただ、毎日一緒に練習している選手たちなら、動きが時計のように噛み合ってる。そうすると、88分にラッキーな跳ね返りで点が入ることもあるし、早い時間にPKをもらえたりする。今回はそういう日だったというだけだと思う。
イングランドが特別悪かったとは思わないんだ。というか、W杯でのイングランドっていつもこうなんだ。初戦に勝つとみんなが大騒ぎする。そして2戦目で現実に引き戻される。
イングランドは突破するだろうし、ベスト8までは割とすんなり行くと思うよ。ただ、相手が強ければ強いほど、イングランドの良さも引き出されると思う。クロアチア戦が証明したように、イングランドに対して前に出て勝負しようとすると、やられるんだ」
⚫︎今大会に出ているシティの選手は、イングランド代表じゃなくても応援するんですか?
「もちろん。俺がイングランド代表のファンにならなかった理由のひとつもそれだ。俺が子供の頃は、代表と言えば、リバプールとユナイテッドの選手ばかりだったからね。だから、どうしても心から応援できなかったんだ。
だから今は、ジョン(・ストーンズ)が出ているのを観るのは嬉しい。ジョンは俺の友達だし、彼のシティでの時間はもう終わったけど、キャリアの終盤に差しかかって、W杯に出ているのを観るのは素晴らしい。しかも、いいプレーをしている。
(マーク・)グエイもいつも通りに堅実に見えるしね。
それから、アーリング(・ハーランド)だ。彼が出る時は、みんなノルウェーを応援するよ。ノルウェーがW杯で優勝することはないと思うけど、でもベスト16くらいには行けるチームだと思う。もし彼らが失点を防げれば、ハーランド、(マルティン・)ウーデゴール、オスカー・ボブがいるわけだから、前線はかなり面白い」
⚫︎あなたは僕よりずっと年上なので、W杯もかなりたくさん見てきていますよね。
「(笑)そうだね」
⚫︎個人的には、僕が見てきた中で、これほど多くの優れた選手たちが同じタイミングで調子を上げているW杯は見たことがありません。
アーリング・ハーランドの話が出ましたし、ネイマール(・ジュニオール)がピッチに出てきた時には多くの人が興奮しました。さらにヴィニシウス・ジュニオール、(キリアン・)エムバペ、(ハリー・)ケイン、もちろんメッシもいて、ロナウドも2ゴールを決めました。あなたは今回のワールドカップをかなり楽しんでいるんじゃないですか?
「そうだね。俺は中立の立場で見ているからね。大会が拡大されて36チームになった時は、“なんてこった、これは退屈になるぞ”と思ったんだ。
でも実際には、そのおかげで強豪国が試合を重ねながら調子を上げる時間を得た。今、彼らはみんな沸点に達している。はっきり言って、ノックアウトステージに入ったら、このW杯はとんでもないことになるよ。
メッシもそうだし、今名前を挙げた選手たちはみんなトップフォームにある。もう誰かが本調子になるのを待っている段階じゃない。全員がもうそこにいるんだ。
それにハリー・ケインもいる。イングランドは良いプレーをしているし、ケインは冬の休みを取ることができた。今こそ彼の時だよ。ハリー・ケインに関して、疲労を言い訳にすることはできない。
だから、これからの数週間は驚くようなものになると思う。そして準決勝まで進めば、本当にすごいことになるだろうね」
イングランド代表は、この番組が公開された後、6月27日にパナマと対戦し、2対0で勝利。その時も“Wonderwall”が会場に響き渡った。多くのメディアがまた、その光景を取り上げていた。
イングランドは次に、7月5日にメキシコと対戦する。ノエルが言う通りになれば、ものすごい試合となるはずだ。
⚫︎”Wonderwall”以外のスポーツアンセム
ーフランス代表のダフトパンク“One More Time”
フランス代表は、ゴールが決まるたびに、ダフトパンクの“One More Time”が会場に流している。代表チームはゴール後に流す曲をリクエストできるらしく、フランスは正式に”One More Time”を選んだそう。歌詞的にも、「もう1回」ゴールが決まるように、と歌うのはぴったりだ。
ースコットランド代表のアンセムをベルセバが作詞作曲
これは正式に依頼されたものではないそうだが、ベル・アンド・セバスチャンが、スコットランドがデンマークに勝ち、28年ぶりにW杯出演することに感動して書いた曲。
ーあらゆるスポーツイベントでチャントされるザ・ホワイト・ストライプスの“Seven Nation Army”。
もちろん今回のW杯でも何度も聴いた。ジャック・ホワイトに以前これについてインタビューした際に訊いところ、「ギターリフがチャントされているってことが驚き」と答えていた。
ーJAY-Z&アリシア・キーズ“Empire State of Mind”
これはW杯ではないけど、その直前にNYのバスケットボールチームが、ニックスが53年ぶりに優勝した際、アンセムとして歌われた曲だ。
アリシア・キーズも祝賀パーティでパフォーマンスした。
どれも無理やり押しつけられたものではなく、歓喜の瞬間を自然にまとめ上げた、決定的なアンセムだ。