プリンスの本質に迫った徹底ドキュメント――80年代超名盤『パープル・レイン』の秘密

プリンスの本質に迫った徹底ドキュメント――80年代超名盤『パープル・レイン』の秘密

現在発売中のロッキング・オン7月号では、プリンス『パープル・レイン』の舞台裏を詳説したドキュメントを掲載!
以下、本記事の冒頭部分より。



「1曲を除いてほぼ僕がドラムを叩いているんだ。アンドリューから『君がやってみたらどうだ?』って言われたんだ。それでやってみたんだよ」


1983年8月3日。ミネアポリスのファースト・アヴェニュー・クラブでは、1500人を超える信者たちが、低いステージ越しに、地元出身のヒーロー、プリンス&ザ・レヴォリューションとのデビューを飾る19歳のギタリスト、ウェンディ・メルヴォワンを見つめていた。

催眠術のようなグルーヴが5分近くも盛り上がり、影に潜むバンドリーダーは、テレキャスターからファズの効いた咆哮を絞り出すように奏でる。そしてついに、ガンマンのようにギターを背後に回し、マイクへと歩み寄る。身長157センチほどのこのカリスマは目を閉じ、《君を悲しませるつもりはなかった》と歌う。しかし、歓声は上がらなかった。これは、プリンスを頂点へと押し上げるアルバム/映画のタイトル曲“パープル・レイン”の初披露だ。

すでにチャート入りを果たしている25歳のこの若き才能は、18ヶ月後にはアリーナを満員にするだろう。彼はブルース・スプリングスティーン、マドンナ、そして何よりもマイケル・ジャクソンと並び、1980年代を象徴するアーティストとなる。そして、これらの伝説的な同時代のアーティストたち以上に、プリンスの比類なきソングライティング、プロデューススタイル、そしてセクシーな世界観は、ジョージ・マイケルからジャスティン・ティンバーレイク、レディー・ガガ、ビヨンセに至るまで、未来の世代のアーティストたちに大きな影響を与えることになるだろう。『パープル・レイン』は、プリンスの時代精神を象徴する作品であるだけでなく、彼がこれまでに発表した中で最も刺激的でまとまりのある芸術的声明と言えるだろう。
これは、その制作過程の物語だ。

プリンスはチームプレーヤーではなかった。ミネアポリス出身のマルチトラックアーティストである彼は、1978年から1982年にかけての最初の5枚のアルバムで、作曲、編曲、プロデュース、そしてほぼすべての楽器演奏を自ら行った。初期の作品に見られるミニマルでファンク調のサウンドは、魅力的で型破りで独創的だった。しかし、それは同時に閉鎖的でもあった。プリンスは、世界的な頂点へと駆け上がるためには、ロックを追求する必要があると感じていたに違いない。そして、ロックするにはバンドが必要だった。(以下、本誌記事へ続く)



プリンスの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

プリンスの本質に迫った徹底ドキュメント――80年代超名盤『パープル・レイン』の秘密
rockin'on 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on