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SHISHAMOといえば恋の歌。そして夏恋の名曲といえば“君と夏フェス”だが、“夏恋注意報”はそれにも匹敵する、新たな鉄板曲となるだろう。SHISHAMOの武器のひとつであるギターリフ。そのドライブ感がイントロから全開で、音のうねりが本気の恋に落ちていくときめきを表す。好きだという気持ちは止められない。でも傷つくのが怖い。今ならなかったことにできる。いや、できない――そんな葛藤を描く作詞はさすが宮崎朝子(G・Vo)。歌詞のみならず、サウンドやメロディにも繊細な恋心を感じさせるのが宮崎のソングライティングの真骨頂。ジリジリとした夏空を思わせる爽やかなコード感で恋に浮かれる気持ちを描きながら、そこに迷いや切なさを表すようにマイナーコードが入り混じる。そんな絶妙な転調と宮崎の歌声が心のふるえを表している。今夏はROCK IN JAPANをはじめ夏フェス出演も目白押しだが、“夏恋注意報”はみんなで声を上げるポイントが緻密に織り込まれているのもいい。強力な夏恋ソングの誕生。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋)
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