音楽にとってポップとは何か――ポップ幻想論

XG『NEW DNA』
発売中
MINI ALBUM
快進撃を続ける日本人7人組、ついに1stミニアルバムをドロップ。K-POPのシステム/戦略に倣いその支持をグローバルに広げているが、実は音楽性はK-POP的な様式を退け独自路線を進んでいる。それはまさしくXG自身が「X-POP」を標榜している通りなのだが、X=Xtraordinaryはここではスキルや音楽性の完成度のみを指して「桁外れの」「特別な」という形容にとどまることを許容しない。むしろ、「異常な」「奇妙な」という次元にまでXtraordinaryの意味を拡張させなければXGの本質には迫れないのではないか。もちろんX-POPと称するだけあって旋律はポップだけれど、時折聴こえる異常なほどに奇妙すぎる表現にこそ独自性が宿る。ホラーへと接近するかのようなフロウ、過剰に震える低域の鳴り、ひんやりするほどの冷徹なサイバー感。勘違いされがちだが、ポップとは心地よい音「だけ」を指すのではない。奇奇怪怪な音が、ひねくれた結果大衆の心を打つときにポップと化することもある。本作はポップだ、奇妙なほどに。(つやちゃん)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)


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