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結成10周年を記念した初のベストアルバム。レア曲も複数ボーナストラックとして収録されるという至れり尽くせりの内容だ。リリースの経緯に関しては、新曲“BEST”を聴けばとてもよくわかる。この曲もまさにそうだが、ヤバTはいつでも切り口が面白い。幅広い事柄を描きながら「こんなテーマもかっこいい音楽になるのです」と提示し続けている活動は、偉業と言っても決して過言ではない。そして特に深い意味はない曲として楽しんでいたはずなのに、ふとした瞬間に別の一面を覗かせるのにも度々驚かされる。いつの間にか猛烈に感動してしまっている自分に気づいたことがある顧客(ファンの呼称)は、実は結構いるのでは? 些細な事柄の中に多彩な喜怒哀楽の種がある人生の機微をヤバTの音楽が鮮やかに捉えているからこそ起きる現象だと思う。最近、地上波での活躍を見られる機会が増えているのが嬉しい。彼らの『紅白歌合戦』出場を願うバンドマン仲間はとても多い。明るく祝杯をあげられる日が早く来てほしい。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋)
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