イギリスのソニー、「オン・エア・オン・セール」戦略がうまくいっていないことを認める

今年に入ってからソニーとユニバーサルは、イギリスでは、シングル・オンエア解禁日にシングルを同時にリリースする「オン・エア・オン・セール」ポリシーを実践してきたが、ソニーは10月12日にこのポリシーがあまり功を奏していないことを認めた。

従来のやり方ではオンエア解禁日から実際のリリースまでにはタイムラグがあり、この間に電波でかけて購買意欲を煽るというものだったが、最近ではオンエアされた時点で音源のコピーがネットでばら撒かれてしまうことが多く、それがシングルの購買欲をそいでいるのではないかと今回の措置が取られることになった。

しかし、12日にソニーが発表した声明によれば、この新しいリリース・アプローチは「うまくいっていない」とのことで、今後は「どのリリースについてもケース・バイ・ケースで判断することにした」と決定したとBBCが伝えている。

その一方で、ユニバーサルは1部のリリースについてはこれからも「オン・エア・オン・セール」戦略を貫くとしているが、もともとユニバーサルでは「個々のアーティストにとってなにがよかれかによってものごとを決めるのがそもそものポリシーだ」と説明している。

アーティストのマネージャーらによって組織されている業界団体であるミュージック・マネージャーズ・フォーラム(MMF)の理事ジョン・ウェブスターは今回の措置が「ほとんど死に体」になってしまったことを「とても悲しく思う」と語っていて、そもそもこの措置を全レコード会社に対して必須なものとして施行できなかった時点で失敗は運命づけられていたと語っている。

「消費者がなにかを聴いた瞬間に消費者がマーケットに働きかけられるような機会を排除することは、その消費者がマーケットに参入することを邪魔しているようなものですよ」とウェブスターは語る。「今回の措置が必須ではなく、任意によるものになった時点でもう呪われてしまったのです」。

「全員が同じ条件下になければ意味がないし、うまくいくわけもないのです」

10月10日には元オアシスのノエル・ギャラガーも近頃のチャートは「イカレていて」、ダウンロードとCDのリリース日が違う意味がわからないと語っていた。


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