マイブラのケヴィン・シールズ、マーキュリー賞は自分たちを排除していると語る


マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのケヴィン・シールズは22年ぶりの新作となった『mbv』が今年のマーキュリー賞の候補から洩れたのは自分たちがメジャーのレーベルと契約をしていないからだと語っている。今年のマーキュリー賞の候補作選びへの不満をケヴィンは次のように『ザ・ガーディアン』紙に語っている。

「そもそもマーキュリーなんて電話会社かなんかでしかないだろ? そんな会社がなんで音楽と関係あるんだよ? ぼくたちはマーキュリーから排除されてるんだよ。それはどうしてだかわかる? なぜかというと、ぼくたちはアマゾンでもiTunesでも音源を売ってないからなんだ。それが候補になる基準のひとつなんだね。メジャーとの配給契約をとりつけているか、iTunesかアマゾンで作品を売ってなきゃだめなんだ」

実際にマーキュリー賞の規定によれば、受賞候補の作品となるには「デジタル及びCDやアナログ盤リリース契約を有していること」が条件となっているのに対して、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは完全に自主的に『mbv』を制作し、自主的にリリースしている。

「おもしろいことにぼくたちほどインディペンデントなバンドになるということは、非合法だということになるみたいだね」とケヴィンは語っている。

「まるでぼくたちのレコードはまともなレコードではないとでも言いたそうだよね。インディペンデントだから、まともじゃないってことなんだ。企業主義がここまではびこったおかげで、ぼくたちは実質的に、きみたちなど存在しないと宣告されているようなものなんだよ。だから、便宜上、ぼくたちの作品はしなかったということになるんだね。わかった? マーキュリー賞によれば、ぼくたちの作品は存在してはいけないことになるんだよ」

今年のマーキュリー賞にはデヴィッド・ボウイの『ザ・ネクスト・デイ』、アークティック・モンキーズの『AM』、ローラ・マーリングの『Once I Was an Eagle』などの作品が候補に選出され、10月30日に授賞式が行われる。

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