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堂島くんと言うと、まず最初に洗練されたシティ・ポップスのイメージがあるが、実はこの人、それだけではないのだ。ライヴを観ていると、だんだんと愛着というか、親しみやすさを全方位に放射してくる、そういう力もある人なのだ。だから、必ずこの場も特別なものにしてくれると思ってたのだが、蓋を開けてみれば、僕の予想など遥かに超えて彼の音楽自体が持つ力を改めて見せ付けられるライヴだった。スカパラのライヴを観て刺激され、急遽変更したというセットリストは上げ上げ。名うての連中が揃うGO-GO KING RECORDERSが一人ずつステージに現れて、演奏に加わり、そして最後に堂島くんが登場して始まった1曲目は、なんと“ルーザー”。オーディエンスの数はすぐに始まるときの2倍近くまで膨らんでいく。「ここに集まってるすべての人に今年いいことがありますように!」というMCで始まったのは、またもや代表曲“サンキューミュージック”。こういうグッド・メロディーの曲というのは、ライヴでは伝わりにくい時もあるのだけれど、さすがは鉄壁の演奏陣。きちんとパワーと繊細さを以ってその素晴らしい旋律を支えてくれる。最新シングル“銀色クリアデイズ”を経て、その温まった場内の空気が爆発したのは“45℃”。サンバにアレンジされたこの曲で、ギターの會田茂一は堂島くんを肩車しながらギターを弾くという離れ業をやり、「お客さん、飛んでいいですか!」という言葉と共に堂島くんの十八番、バク転まで飛び出す。この後の“スカイドライバー”、そして新曲“冒険者たち”は圧巻。いわゆる「ポップス」と呼ばれる音楽で、ここまで力強いライヴなんてそうそうない。そのメロディーの美しさと共に、彼の音楽全体が響かせる豊穣さと強靭さは、ギャラクシー2ステージに多くの笑顔を残していった。(古川琢也)
「今年を堂島くんで始められて良かったです!」