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幕張の客席は広いけど、ここまで会場の隅々に爆音を響かせたバンドは3日間でも他に居ないんじゃないか!? いやー、DMBQ、凄かった。「大丈夫ですか、やりますよ~」の増子の一言をきっかけに、スピーカーから火を噴かせんばかりの音が響き渡る。一瞬唖然とするお客さんもいるくらい。でもそれも1曲目の“EQUIPMENTS”が終わる頃には大歓声に変わっていた。鍛え上げられたねっとりと熱いグルーヴには、まるで4匹の恐竜が地団駄を踏んでるような重さと肉感がある。巨大な音塊を叩きつけて圧倒するロックンロール。朝イチから血の滴るステーキを腹一杯食わされてるよなロックンロール。濃い! ひたすら濃い。ド派手な衣装に身を包んだ増子(Vo/G)、松居(G)、渡邊(B)の3人が新種の爬虫類のようにステージ上で身をくねらせるたびに、サイケデリックな異界への裂け目が垣間見えていた。そしてバンドはそのまま際限なきインプロビゼーション天国に突入。「お前ら、実家とは連絡ついてんのか? 親はここに来てることちゃんと知ってんのか?」と、増子のMCも冴える。淡々とした平熱さと曲中の絶叫とのコントラストが微妙におかしい。アメリカ・ツアーを終えて一段とパワー・アップ、というよりどんどん無軌道に巨大化した音を鳴らしていく4人。ラスト“BOOM-RUN ROCK”では通常の演奏が終わった後に、5分以上咆哮とノイズの応酬とブレイクのキメ・ポーズ(組み体操込み)が続き、最後にはドラム・セット解体→ステージ前に全員集合→増子が客席突入と、どしゃめしゃにシメた4人。めちゃめちゃ“ロック密度”の高い35分だった。天晴れ!(柴那典)