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 完全な100s名義となって記念すべき初ライヴ。中村一義時代の楽曲は演奏されるのか、そして新作『OZ』の既存のバンド・サウンドの枠を取り払った音は、どうやってライヴで体現されるのか。ぎっしりと埋まったフロアには、緊張感と期待感が漲っている。
 『OZ』とは切っても切り離せない映画『オズの魔法使い』のテーマ曲“Over the rainbow”が流れ、メンバーが登場。中村一義が拳を突き上げ、飛び上がりながら姿を現す。気合は十分のようだ。まずは100sのスタートを担う意味を持つ“A”! 中村の高いキーが響く。一斉に手が挙がる。
 誰もが歓喜した“1,2,3”。“セブンスター”“キャノンボール”という100sアンセム。そして、初披露された『OZ』の楽曲。一瞬ごとに沸点が訪れる、濃密であっという間のステージだった。ライヴから一年以上遠ざかっていたために、歌は少し不安定だったが、時折うずくまり、深遠なメッセージを何とか伝えようと渾身のパフォーマンスをした中村一義。百戦錬磨の演奏力を武器に、フロア中に熱い血液を注ぎ込むような、誠実で熱のこもった勇姿を見せてくれたバンドメンバー。特に印象に残ったのは、発売前だというのにすでに曲名で歓声があがった“扉の向こうに”。『OZ』の中でも随一の強く感動的なメッセージを持つこの曲を、中村一義は顔を歪め、マイクを掲げ、ありったけの力を振り絞ってすべてに伝えようとしていた。強い絆で結ばれた6人の放つ崇高なエネルギーが会場を包む。すぐ目の前に真実を突きつけられた気がした。とても感動的なステージだった。 (小松香里)

1 A
2 B.O.K
3 1,2,3
4 いきるもの
5 セブンスター
6 Honeycom.ware
7 扉の向こうに
8 キャノンボール