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 初日EARTHもいよいよ後半戦に突入。本日の紅一点、一青窈の登場だ。壮大なロックが流れる中、シンプルな黒いワンピースをまとって現れた一青窈。そのまま朗読を始める。“一思案”だ。これまでの熱気ムンムンのムードが一転、サラサラと心地よい風が吹いてきたような感覚に襲われる。  次は大ヒット曲“もらい泣き”。ゆるやかに体を揺らし、身振り手振りを交えて、深遠な感情を観客に伝えようとする。表情豊かにステージの端から端へゆったりと動く姿には、一青窈なりの必死のコミュニケーションを感じた。内にたぎる熱情を垣間見せる流麗な歌声――心にあるもやもやが取り払われ、浄化されていくような気持ちになる。
 「テレビの話」「恋愛の話」「映画の話」など、多岐にわたるMCのバックにはピアノが密やかに鳴っていて、気づけば次の曲の世界観につながっていくという話の展開もあって、ライヴ全体でじんじんと染み渡っていくひとつのストーリーが紡がれているようだった。しかし。序盤に「去年は緊張して歌詞が飛んじゃったんですが、今年はそんなハプニングを期待しないでください(笑)」とMCで言っていたにも拘らず、中盤の“夢なかば”にて。歌い出してすぐに「ああ!! 間違えちゃった!!」と倒れこむ。あったかい笑いが起こる。そのハプニングはとても微笑ましかったが、ラストの“ハナミズキ”のパフォーマンスには神々しさすら漂っていた。壮大で美しくて、尊い命への願いが、会場を覆う。華奢な体で想いを強く届けようとした彼女の姿は、誰の心にも確かに焼きついただろう。(小松香里)


1 一思案
2 もらい泣き
3 今日わずらい
4 夢なかば
5 年年歳歳
6 面影モダン
7 ハナミズキ