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 さあ、待ってました! フラワーカンパニーズ、登場!! のっけからフロアのテンションは上々、拳を挙げて「今日は祭りだぞ!」と煽る鈴木圭介(Vo)のテンションももちろん、しょっぱなからぶっちぎれている。
 一曲目はアルバム『吐きたくなるほど愛されたい』(つくづくすごいタイトルだ……)から“白眼充血絶叫楽団”。グレートマエカワ(B)、竹安堅一(G)、ミスター小西(Dr)、音を確認し合うように近づいたり遠ざかったり……呼吸は常に、ばっちり合っている。落第生、居残り、という学生用語を連呼しつつ、大人になっても拭い切れないやんちゃ感をにじませ胸を鷲づかみにする“赤点ブギ”まで冒頭3曲、畳み掛けるようにエネルギー大放出。満員のフロアも同量のエネルギーを投げ返しているから、熱い!
「30分じゃ足りない。3時間やります。このあとのバンドのみなさんすみません。だって、俺たちがいちばん先に死ぬ確率高いんだから!」との鈴木のキュートな暴言にも笑う。《目的地はないんだ 帰り道も忘れたよ》――マイナーコードで静かに始まるメロウな名曲“深夜高速”。クリアすぎるぐらいにしっかりと耳と心の奥に突き刺さってくる歌詞が、痛くも切ない。“真冬の盆踊り“ではお客さんが両手を挙げて踊っている。さながら夏祭の光景のようだ。このフェスもそうだが、祭とは、何かを忘れるためにあるのではなくて、プリミティヴな欲求を思い起こすための装置でもあるんだな、と再認識する。ラスト、”恋をしましょう“。《地獄に落ちても恋していたい》。何かに胸を焦がすことこそ生きてるってことだよなーなんて青臭いことを思ったりして我ながら恥ずかしくなるわけだが、観てるとそんな気持ちになってくる、それがフラカンの素敵さ。最高のアクトだった。





お~かっこいー!! 音が出た瞬間思わず叫んでしまった。ロングヘアのクールビューティ&サウスポー=菜花(Vo・G)のディストーションかかりまくりのギターの一撃が、フロアに落雷のようなショックを与えた。detroit7、超シンプルな3ピースだがずっしりと音が重くて厚い。1月発売予定の1stフルアルバム『1LOVE』から、“Inside”、表題曲、とサイレンのごとくスリリングで強いギター・リフの楽曲を連打。3曲目“Adam”では「あおう!」と繰り返す、その雄たけびが凛々しい。菜花、男前! かと思うとまたしても、打って変わってゆるやかなテンポとリズムにハッピーなメロディの“2:27am”で意表を突く。静寂と轟音とが交互に打ち寄せ波のように身体を刺激する「音の肌触り」が面白いバンドだ。やさしいアルペジオで幕開ける日本語詞の”いびつな花“も新鮮な透明感があって心地好い。菜花の、ややハスキーで深いアルトには説得力があるから、こんなうたも、これからもっと聴いてみたい。続けて”SHOT MY RIGHT TEMPLE“。ギターソロが圧巻。音がとにかく、鋭いのだ。弦がピンと張られた、「緊張そのもの」なんだな、ギターという楽器は。そんなことに改めて思い至るかっこよさ。音が止んだ途端、張り詰めていたフロアから、どよめきが沸き起こる。酔いしれる隙も与えず、ラスト、”おわりははじまり“に突入。「みんな雪の中ありがとう。良い御年を!」。轟音の中、駆け抜けるようにステージを去った3人。残されたフロアのお客さんが挙げた拳は、なかなか下がらなかった。(大前多恵)

フラワーカンパニーズ detroit7

1 白眼充血絶叫楽団
2 永遠の田舎者
3 赤点ブギ
4 深夜高速
5 真冬の盆踊り
6 恋をしましょう

1 Inside
2 1LOVE
3 Adam
4 2:27 am
5 Ordinary Madness
6 いびつな花
7 SHOT MY RIGHT TEMPLE
8 おわりははじまり