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 しんしんと降りしきる雪の冷気にすっぽり包まれた幕張メッセ、中でも広大なEARTHステージはかなり底冷えするシチュエーションなのだけど、そんな中登場したトライセラトップスの真っ直ぐなロックンロールは、ゆっくりとこの場の空気を温室ドームのそれへと変えていってくれた。 
 「元気? オーイェッ!」と開口一番をシンプルに決めた彼らは、間髪入れずに音量マックス全開のノイズギターをたたみ掛けていく。初期の名曲“ロケットに乗って”だ。回り道も思わせぶりなギミックもかなぐり捨てて直線コースでがしっと胸元に掴み掛かる音。そのままの勢いで“Jewel”、そして “Fever”へ。この曲を引っ張る4つ打ちは、まるで彼らのロールと私達をシンクロさせていく「心動」そのものだ。
 「どう? 気分は? 雪降ったよね。朝起きたらきれいだったよね。そうそう、俺達、トライセラトップスです。俺、よくこういうこと言うの忘れちゃうんだよね」なんて脱力MCを交えつつも、後半はさらにハード・ロッキンな展開に。3人が互いのスキルをシビアに確認しながら高め合っていくジャム感が最高な “オレンジライター”、続く“ROCK MUSIC”では“サティスファクション”“ウォーク・ディス・ウェイ”“ボヘミアン・ラプソディー”等の美味しいとこ取りのロック博覧メドレーが挿入される。反則! 楽しすぎ! 否応なく血中ロック濃度が上昇する中鳴らされたラスト・ナンバーは、最新シングル “THE CAPTAIN”。弾力性を増した彼らのロールによって、温かなドームは「白熱」の舞台へと一気に昇華されていった。(粉川しの)



1 ロケットに乗って
2 Jewel
3 Fever
4 if
5 オレンジライター
6 ROCK MUSIC
7 THE CAPTAIN