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 locofrank終了後、GALAXY前の若く青臭かった歓声は一気に骨太に変わる――そう、THE MODSの登場! 日本のパンクとロックンロールを死に物狂いで転がしサヴァイヴしてきた4人の登場に、このフェスではかつてなかった怒号のようなOi コールが巻き起こる。そして森山の「甦れ俺の壊れたエンジン!!」という叫びが、雪の幕張を真っ赤に染め上げていく。最新アルバムから“GO MAD BUNNY”、ラモーンズの“SHEENA IS A PUNK ROCKER”にクラッシュの“I FOUGHT THE LAW”――と、「今」と「あの頃」の世界中のパンクの原液を抽出してぶちまけるような濃密なアクト。最後は「クソったれな世の中に!」と叩きつける “NAPALM ROCK”!! 「鋭利な刃物としてのパンク」がなおもこの国に生きていることを実証する、圧巻の36分間だった。




 続いてGALAXYには、昨年のカウントダウンを飾ったペンパルズの林宗應がソロ・プロジェクト=REVERSLOWとして登場。「まだライヴも5回くらいしかやってなくて」と林はおどけるが、言ってみれば「ペンパルズの前のめりなビート感から一時解放させた林のポップネスを、過剰なまでの凄腕アンサンブルで再構築する」というような趣のプロジェクトだ。土岐麻子をフィーチャーした“トレモロ”ではぶっといリズムの上に UKポップス風の透明な世界が広がったり、“スロウ”ではツイン・ドラムにさらにマシン・ビートが絡まりながら蒼く真っ直ぐなギター・ロックに着地したりする。まだまだ面白いことが起こりそうな予感そのものが鳴っている――そんな楽しさがあっだ。





 そして「フュージョンとパンクと絶品メロディの惑星直列」ことバンド・アパート。サウンド・チェックからそのまま “FUEL”に雪崩込む。びっちり入ったお客さんから大歓声!! それにしても不思議な人たちだ。G・川崎のアクションはどっから見てもハード・ロックだし、B・原は巨体をくねらせてごりごりのベースと繊細なハモリを搾り出すし、Dr・木暮は決まりきったロック・ドラムの文法をざくざく切り刻んでいくし、 Vo・G荒井はそんな複雑なサウンドを真っ向から引き受けて、高らかにロックを歌い上げる。そして何千人も胸高ぶらせて踊らせてみせる。何なんだ一体。つくづく唯一無二の人たちだし、貴重なバンドだと思う。「今日は学園祭気分で」と軽やかにボケる原のMCに導かれ新曲“higher”の爽快なロック天国へ。そして“SNOWSCAPE”“Eric W.”など含め全7曲、バンドの充実ぶりをこの上なくアピールしきったアクトだった。(高橋智樹)

THE MODS REVERSLOW

1 壊れたエンジン
2 HONEY HUSH
3 LET’S GO GARAGE
4 GO MAD BUNNY
5 SHEENA IS A PUNK ROCKER
6 I CAN TELL
7 I FOUGHT THE LAW
8 TWO PUNKS
9 THE MAN OF THE MATCH
10 NAPALM ROCK

1 D33
2 アクセル
3 ストラト
4 トレモロ
5 スロウ
6 シグナル
7 ナツカゼ
8 MARI ME

the band apart

1 FUEL
2 cerastone song
3 higher
4 amplified my sign
5 SNOWSCAPE
6 K.and his bike
7 Eric.W