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夏のGrass Stageに引き続き、今回もEarth Stageに登場したthe band apart。ライヴを観るたびに思うが、不思議なバンドである。彼らの音は決して大衆受けするようなものではない。むしろ変拍子を多用し、複雑な展開を見せる曲はかなりマニアック。メロディも決してわかりやすくはない。ベース原のMCはいつも爆笑を誘うが(友達から伝授した“タクヤメンタイ”なる料理の調理法を紹介するなど)、だからってお客さんに媚びている感じはまったくなくて、あくまでマイペース。にもかかわらず、彼らのライヴは決して排他的になることはない。たとえ彼らのサウンドに触れたことがなかったとしても、バンドから放出されるグルーヴに誰もが必ず乗れるはず。っていうか、サウンド自体はマニアックなわりには、そのグルーヴは不思議なほどポップで開放的で爽やかなのだ。本当に不思議なんだけど、でもだから大会場でもそのマニアックなサウンドはまったく違和感なく響き、大衆に至福なときをもたらすのである。実に感動的。素敵なライヴだった。(内田亮)