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「おはようございます! a flood of circleです!」という佐々木(Vo・G)のシャウトから、MOON STAGEはむんむんと匂い立つロックンロール空間へと突入! 壊れかけの世界をそのまま音に置き換えたような、背徳的でダークでスピーディーなロック・グルーヴを、マシンガンのようにテレキャス構えた佐々木がささくれまくったべらんめえヴォーカリゼーションでさらにロックの奥底へと導いていく。「いい眺めだな! 俺たちあんまりお祭りなバンドじゃないんだけど、みんなのおかげでお祭りな感じになってきました!」という佐々木の声にフロアからは笑いがこぼれていたが、“RED DIRT BOOGIE”“プシケ”と畳み掛けると再び、MOON STAGEは悲しき革命宣言のような切迫したモードへと塗り替えられる。荒削りの岩石のようにごつごつしてて、どっちに転がるかわからない危うさを秘めている彼らのサウンドだが、それこそミッシェルとかバックホーンとか、00年代日本のロックンロールを揺り動かしてきたバンドに通じる何かが、その音の奥底にどろりと蠢いているのを感じさせる。30分間という短い時間ながら、オーディエンスの脳裏を音で貫いてみせた充実のステージだった。(高橋智樹)