最初に登場した和田唱(Vo&G)は銀色のボディが眩しいドブロギターを手にし、ブルース・フィーリングに満ちたプレイを奏でながら歌い始めた。やがて林幸治(B)と吉田佳史(Dr)も合流し、ドラマチックに広がったアンサンブル。1曲目は“Big Bag Blues”。吉田はタンバリンをリズミカルに叩き、素朴な躍動感を添える。渋いプレイにどっぷりと浸ったオープニングとなった。「こんばんは! TRICERATOPSです。ここに集まってくれたみんなに愛を贈らずに、一体何を贈ればいいというんだろう? 踊る準備はいいですか? 踊るのにぴったりな曲だと思います」と和田が語り、2曲目“FEVER”。場内は最高に幸せなダンスフロアと化していった。“Silly Scandals”を演奏し終えると、起こった熱い拍手。「いいねみんな! 楽しんでいますか? TRICERATOPSはCOUNTDOWN JAPAN、夏のROCK IN JAPAN FES.を含めて、トリでやるのはかわいそうなことにこれが初めてです(笑)。今後はこういうトリのイメージに仕向けて行こうと思いますので、お力添えよろしく! 今月ニューアルバムをリリースしました。そこから新曲やっていいですか?」と和田が語って“LOVE IS LIVE”へ。絶妙なポイントで林のコーラスも加わり、甘酸っぱいメロディがエモーショナルに響き渡った。3人のフレーズが絶妙に絡み合いつつ、哀愁に満ちたメロディをじっくりと展開した“GOTHIC RING”の演奏が終わり、再び和田のMC。「ありがとう。楽しい時間というのはあっと言う間です……いきなり『終わり!』って言うと寂しいから予感させておこうかと(笑)。みんな昼イチからいると思うけど、疲れてない? もっともっと踊れますか? じゃあ、みんなの本気見せてもらっていい?」。終盤戦は“あのね Baby”からスタート。骨太にうねる林のベースが先陣を切りつつ生まれたグルーヴが、さらに昂揚させる。そして本編のラストを飾ったのは“トランスフォーマー”。曲の半ばで和田が「みんなの手を見せてください」と語りかけ、フロア全体から掲げられた無数の掌。コール&レスポンスも交わされた後に起こったのは、場内いっぱいに広がった大合唱。3人の演奏とお客さんの歌声が一体となったあのひと時は、メンバーにとってもお客さん達にとっても忘れられない思い出となったに違いない。 アンコールを求める手拍子はいつしか再び“トランスフォーマー”の大合唱と化していった。その熱気に誘われ、大はしゃぎしながら再登場した3人。和田の歌声も加わり、大合唱は一際力強く高鳴った。「俺達ミュージシャンというのは、みんなを笑顔にするために存在しています。でも、今日やっていて思うのは、みんなこそが俺達を笑顔にしてくれるすごい存在だということです。なので、集まってくれた全ての人にこの曲をプレゼントします。完全燃焼していってください」。そして始まったのは“Raspberry”。イントロの時点でみんな大喜びで飛び跳ね、サビではさらに激しいジャンプがフロアを揺らした。全ての演奏を終えると、3人は仲良く肩を組んで一礼。大満足のステージだった。(田中大)
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