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昨年に続いての2年連続出場となったTRICERATOPS。エリック・クラプトンを彷彿とさせる和田唱のメガネ姿が非常に印象的だが、まさにロック・ギタリストが一度は夢見るスリー・ピース・バンドの在り方を体現しているのが、このバンドだ。リフが牽引していく楽曲、必然性を持ったギター・ソロ、そして林&吉田のリズム隊と合わさることで明確な輪郭を描くグルーヴ。今は本当にこういう“真っ当”なロックンロールをやっているバンドが少なくて、それだけでも貴重なバンドである。この日もそんなTRICERATOPSの醍醐味が満載。走り出すような四つ打ちのグルーヴはもちろんのこと、ねっとりとした大人のグルーヴまでしっかり聴かせるライヴ。ギター・ソロのあいだに時折足を上げる仕草や、チョーキングを終えた後の目の醒めたような表情まで含めて、ちょっとした佇まいまでが本当にクラプトンを彷彿とさせる。今はそんなモードなのだろうか。もちろん、ギターだけではなくて、あの声でセクシーな旋律を歌い上げるのも忘れない。まさに名前のないロックンロールの面目躍如というべきライヴだった。(古川琢也)