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今年は9mm Parabellum Bulletにとっては激動の1年だった。メジャー・デビューするやいなや、EP『Discommunication e.p.』がオリコン・シングルチャート初登場9位を記録。続けてリリースされた1stフル・アルバム『Termination』もオリコン初登場10位にランクインし、今年デビューの新人では最大の成功を収めたのだ。それがフロックでないということは、一度でも彼らのライヴを観れば確信できるだろう。もちろん、この日もCOSMO STAGEも超満員である。異常な熱気のなかに登場した4人。バンドのテンションも間違いなくいつもより高い。真剣で斬り合うようなスリルと暴走寸前の衝動が、竜巻のように唸りを上げて「曲」へと変貌していく。ギターとかベースとかに細分化しようのない音の塊が真正面から飛んでくる。誰かひとりが一瞬でも気を緩めれば足を踏み外してしまいそうなスリル。観るとか聴くとかいうより「食らう」とか「打ちのめされる」とかいう表現のほうがしっくりくる。ギッシリと埋まったフロアを見渡して「これだけの人を前にしたら何も言うことはないよ」と興奮気味に語る菅原卓郎(G/Vo)。いやいや、こんなものではないだろう!? 彼らにはもう「期待の新人」なんて形容はふさわしくない。名実ともに新世代のトップに立った9mm Parabellum Bulletは、今夜もやはり最強だった。(小川智宏)