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SEが耳をつんざくように流れると、熱い、地鳴りみたいな歓声が渦になって彼らを待ち構える。9mmは2008年、本当に大きな躍進を果たしたバンドだ。そんな彼らが、俺たちの現在地はここだとばかりに鳴らした1曲目は“Living Dying Message”。ステージ中央でしっかりと立ち、一段とツヤとハリのあるヴォーカルを発する菅原と対照的に、ギターの滝とベースの中村は早くも両サイドで暴れ始める。どこか艶かしい歌メロと、爆発するような演奏のダイナミズムが生む、行き先不明の鋼鉄のグルーヴ。“Keyword”で滝がライトハンドの速弾きをカマし、さらに“Trigger”で勢いあまって床に倒れるのを観ていると、今の彼らにみなぎるロックの熱量のとんでもなさがゾクゾクと伝わってくる。”Vampiregirl“”The World“”Talking Machine“と、会場をガンガンに躍らせる中盤の流れでタフな演奏力を見せつけると、ラスト2曲 “Punishment”“Discommunication”の狂ったような勢いは圧巻だった。中村はドラムかみじょうの正面からシンバルを連打し、滝はギターを床に置いて踊る。この破天荒さの向こう側にあるものこそ、きっとロックの未来なんじゃないだろうか。そんな熱いライヴでした!(松村耕太朗)