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“リアル”で始まった榎本くるみのライヴ。キュートでポップな佇まいとは裏腹に、実に凛としたパワフルな歌声を聴かせてくれる彼女だが、今日も変わらずその逞しい歌声でMOON STAGEを強く温かく包み込む。2曲目には早速、先月リリースされた最新シングル“冒険彗星”。これまでも共作を重ねてきたMORに加えてBUMP OF CHICKENの藤原基央が作曲だけでなく、作詞、プロデュースにも加わったこの曲は、彼女にとって大きな大きな転機であり、だからこそ本日の大きな目玉でもあった。彼女もそう感じていたのか、いつもに増してシリアスな表情を見せ歌に挑む。しかし、だからってそこには緊張や気負いは一切ない。逆に疾走感溢れるドラマチックな楽曲に負けずと高く広く伸びていく彼女の歌からは、自分に捧げられた極上のメロディに対する最高峰のリスペクトと愛情しか感じられない。さらに、そこからからテンションをひとつも落とすことなく、“素晴らしい世界”、“スピードウェイ”、“愛すべき人”を最小限のMCで歌いこなし、会場を熱く感動させた榎本くるみ。予定時間より若干早く終わったが、彼女のあまりにもエモーショナルなパフォーマンスに満足しなかったものはいないだろう。(内田亮)