今年でCOUNTDOWN JAPAN4回目の連続出演となるTRICERATOPS。ステージの幕開けは、これぞ! のロックンロール・ナンバー、”GOING TO THE MOON”! 考えてみればこの楽曲がリリースされたのはもう10年も前のことなのだが、時を経てなおロック・クラシックとしてのヴィンテージ感を湛えていくというもの。こういう進化を遂げていくバンドはなかなかいないことを実感させられる。オーディエンスが揃って宙に手を掲げヒートアップするなか、そこへ投入されたのは、重厚なリズム隊がみぞおちのあたりにがつんとくる”FUTURE FOLDER”。鋭いギター・カッティングでもって、ビッグなメロディのサビへと駆け抜ける、とりわけライヴ向きのナンバーだ。「今日がみんなにとっての最高の1日になりますように! 全力で演奏するので最後までよろしく!」という和田のMCを挟んで、藤井フミヤとのコラボ新曲”爆音Time”を披露。ロックとはこれ、と言わんばかりにぎゃーんとかき鳴らされるブルージーなギターに乗る日本語の歌詞がチャーミングで、その匙加減も天晴れだ。エンディングでは華麗なギターソロも決まり、とにかく格好いい。そして場内がしんと静まり、「シムシム、聴いててくれ」と和田がぽつりと一言発した。すると、あのノスタルジックなメロディが流れ出す。フジファブリック”陽炎”だ。「残像が胸を締め付ける」という歌詞が、こちらの胸をえぐるように響いてくる。言葉少なだったが、いやだからこそ、音楽の生命力が力いっぱい伝わってくるような、そんな、ただ立ち尽くすことしかできないような瞬間だった。続く”I GO WILD”は、優しさと包容力、エネルギーが同居する楽曲で、どこかセンチメンタルさがありつつも、前を向いて歩いていくんだというようなパワフルなギター・カッティングで魅せ、今日のステージを締め括るのに最上のナンバーとなった。(羽鳥麻美)
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