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フル・アルバムを2枚リリースし、フジ・ロックをはじめとする夏フェスに参戦し、ワンマン・ツアーも敢行――デビュー10年目にして、その活動量とテンションをバンド史上最高にまで高めてしまうなんて、今のフラカンは本当にすごい。そんなバンドのとんでもない勢いがまんま表現されたライヴだった。“白目充血絶叫楽団”でスタートし、“カリフォルニア”“吐きたくなるほど愛されたい”など、不変の「ネガティヴ・ブチ切れ・パワー」を次々と炸裂させていく。しかし、中盤の “東京タワー”で、彼らは、フラカンが今までと変わっていないことを、そして昔のままでもないことを見事に証明してもみせた。今まで向こう見ずなテンションで表現されていたフラカン・スピリッツが、圭介の真摯なポエトリー・リーディングによって表現されていくのだ。ヴェテランらしさや風格というものをあえて排除することで、それをパワーとしているフシさえあった彼らだが、この曲にはフラカンなりの“円熟”というものがストレートに感じられて、胸が熱くなった。ただ、ぐっと来させといて、このカウンドダウン・ジャパンにふさわしいタイトルの楽曲“真冬の盆踊り”で楽しく裏切ってくれるのもまたフラカンらしい(上半身ハダカで踊る圭介に合わせて、お客さんもロッキン盆踊り!)。
ラストは“ホップ・ステップ・ヤング”。現在の彼らのライヴは、最近の楽曲がズラリと並ぶライヴであるにもかかわらず、圭介は「“ホップ・ステップ・ヤング”をやらないと眠れないぜ! 死ねないぜ!」と圭介は言ったのだ。彼らは、「もう歳だ、もうダメだ!」と、自らをネガティヴィティの底なし沼に叩き落しつづけている。しかし、彼らは最後の最後には自らのパワーで自らを救い出すのだ。そんな彼らの変わらぬ強い意志は、今までも、そして今年もきっと揺るがない。(柳憲一郎)
ヨッサホイ! ヨッサホイ!
京都と香川から参戦の2人組、いい笑顔で歌ってました!