今年はフル・アルバム『Black & White』の発表をはじめ、USデビュー・アルバムのリリース、2年連続のSxSW出演を含むUS/ヨーロッパ・ツアーなど、かなり精力的に活動の範囲を広げてきたdetroit7。充実しているのだろう、今回のライヴもかなりの迫力だった。黒いワンピースを着て、ロングヘアを振り乱しながらゴリゴリのギター・リフを弾き倒す菜花知美(G/Vo)、じつはギターと同じかそれ以上に楽曲の雰囲気とカラーを決定付けている古田島伸明(B)のベース・プレイ、横っ面張り倒されるようなスネアが耳に残る山口美代子(Ds)のドラミング。もちろんどれもが一級品で、それらががっちりとスクラムを組んだときの高揚感についてはいまさら説明するまでもないだろう。曲ごとにバンドのテンションもオーディエンスの熱気も加速度的に増していき、終盤の“WHY?”“COLD HEAT”からラスト“おわりははじまり”にかけて絶頂を迎えた。セットリストにはライヴの定番曲が並ぶなか、年明けにリリースされるニュー・アルバム『FRESH』からはMYSSとコラボレートした“Turn up Fader”を披露。ハード・ロックなリフとディスコ・ファンクなビートが絡み合うキラー・チューンで、これも要チェック。にしても、たった30分しかないのにこの音の密度。やはり「重さ」と「厚さ」が違うんである。(小川智宏)
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