メニュー
MOONステージの暗闇の中、神経質に掻きむしられた1本のギター。凛として時雨の登場だ。バンドの確実な進化を高々と告げた、夏に発表されたミニアルバム『Feeling your UFO』からの2連発で幕を開いた彼らのセットは、そのユニークなバンド名が示唆するようにアグレッシブでタイトでありながら、どこかメランコリーが漂う独特な雰囲気を放っていた。轟音に身を任せ大暴れするのもよし、エモーショナルな旋律にただひたすら浸るのもよし。3ピースが鳴らすアジテーションの楽しみ方は人によってまるで違うんじゃないだろうか。北島と中村の男女ツイン・ヴォーカルが、これまた異様なダイナミックを生む“ラストダンスレボリューション”、音的には他の曲よりミニマルなのに、もっともどでかい感動をもたらした“傍観”がハイライトとなった彼らのセットは、最初から最後まで一切テンションがさがることなかった。(内田亮)