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「こんばんは、LITEです」。短い挨拶のあと2本のギターの重たい和音がじわりじわりと広がっていき、カタカタとビートがその流れに組み込まれていく。そしてゆったりとしたクレッシェンドが幾度かの波を描き、空気がだんだん濃くなってきたのと同時に音の粒が不規則にほぐれていく。程よくバラけたところでまた急速にスピードを増し、頂点でどかんとスパーク! リズムの構築と解体、たったそれだけと思うかもしれないけれど、そこに込められた感情の息遣いが伝わってくるバンドは、ポスト・ロックとか音響派とかインスト・ロックを正しく体現している人たちだと思う。それを痛感させてくれるのが今日のLITEのステージで、ギターのカッティング、スネアの叩き方ひとつひとつに言葉以上の何かが込められていた。途中「昔すごい奥田民生好きだったんですよ。で、さっき“さすらい”やってくれて一緒に歌ってたら声の調子悪くなっちゃって。まあ、歌わないんですけど(笑)」なんてトボケるMCで場を一旦和ませた後、怒涛の勢いでバッキバキの攻撃チューンが炸裂。次々とうねる激情の波に、すっかり我を忘れてのめりこんだ。(林敦子)