キャリア25年を超えてなお、少年ナイフのロックンロールに対するピュアな愛情は絶えることがない。というか、年を経るごとにどんどんピュアになっていっているような気すらする。今年リリースされた『fun! fun! fun!』も、肩の力が抜けたナイフのいまのモードが存分に反映された、聴いていると無条件に楽しくなるアルバムだった。そんなナイフだから、ライヴも当然楽しい。何より本人たちが楽しそうなのだ。お揃いの衣装でステージに登場し、おもむろにギターをかき鳴らすなおこ(G/Vo)を観ていると、自然に笑顔がこぼれてくる。ナイフがその魅力を失わないのは、根底にある「ロックの楽しさ」が1ミリもブレていないからなのだろう。シンプルな8ビートのリズムと、たった3つのコード。それだけでマジックを引き起こすロックンロールの素晴らしさを誰よりも信頼し、まっすぐ表現してくれるバンド、それが少年ナイフだ。(小川智宏)
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