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バンドメンバー自らによるセッティング&リハーサルによって、正式なステージの前から熱い演奏を繰り広げていたbonobos。一度、袖に引っ込んでから、「ようこそ」という一言で始まったのは、なんといきなりの“THANK YOU FOR THE MUSIC”! 当然、会場からは大きなハンドクラップが巻き起こる。2008年1月に初めてのベスト・アルバムをリリースする彼らだが、最初からフル・スロットル。あたたかいバックビートやソウルフルなアンサンブルで会場を歓喜の色に染めていく。けれど、そうしたリズムの気持ちよさ以上にこの日のライヴで印象的だったのは、歌。ベスト盤に収録されるという新曲2曲が顕著だったのだけれど、ゆっくりと身体を揺らすためのグルーヴの隙間をそのままに、その上を届け!という気持ちで貫かれたメロディーが駆け抜けていく。そのハイライトとも言うべきが、言うまでもない代表曲となった“Standing There ~いま、そこに行くよ~”。左右に揺れるオーディエンスの手が作り出す光景は、ほんとにキレイだったな。(古川琢也)