あがれない。踊れない。はしゃげない。拳を突き上げたりジャンプしたりできない。そして、歌えない。わけじゃないけど、みんなで声を揃えてシンガロングみたいな音楽ではまったくない。もうひとつ言うなら、オーディエンスをまとめあげ一体化させる音楽ではなく、オーディエンス1人1人に「おまえは1人だ」という事実をつきつける音楽だ、GRAPEVINEは。にもかかわらず、ライヴ・バンドとしてすさまじくすばらしいなんて、どういうことだ一体。
と、いつも思っている。いつもというか、初めてライヴを観た10年前くらいから現在にまで、その思いは強くなりっぱなしで現在に至る。今日もそう思いました。あ、大阪もあるので詳しくは書けませんが、たまに「フェスでそんな選曲にしなくても」みたいなライヴをやることもあるバンドですが、今日はそうではなかった、つまり、正に今聴きたい曲を何曲もやってくれたことはお伝えしておきます。(兵庫慎司)
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