メニュー
当フェス皆勤賞だからこれで5回目、夏のROCK IN JAPAN FESも2001年の第二回開催時以降は皆勤だから7回連続出場。と、なんかもうすっかりフェスの守護神的な存在、GRAPEVINE。そのライヴが圧倒的なものであることはよく知られているが、しかし……これ、よく書くんだけど、GRAPEVINEの音楽って、本来ライヴ向きではない。それは言い過ぎだけど、少なくとも、今の日本のロック・シーンにおいては明らかに異質だ。

あがれない。踊れない。はしゃげない。拳を突き上げたりジャンプしたりできない。そして、歌えない。わけじゃないけど、みんなで声を揃えてシンガロングみたいな音楽ではまったくない。もうひとつ言うなら、オーディエンスをまとめあげ一体化させる音楽ではなく、オーディエンス1人1人に「おまえは1人だ」という事実をつきつける音楽だ、GRAPEVINEは。にもかかわらず、ライヴ・バンドとしてすさまじくすばらしいなんて、どういうことだ一体。

と、いつも思っている。いつもというか、初めてライヴを観た10年前くらいから現在にまで、その思いは強くなりっぱなしで現在に至る。今日もそう思いました。あ、大阪もあるので詳しくは書けませんが、たまに「フェスでそんな選曲にしなくても」みたいなライヴをやることもあるバンドですが、今日はそうではなかった、つまり、正に今聴きたい曲を何曲もやってくれたことはお伝えしておきます。(兵庫慎司)