「今年も大阪に戻ってきました。毎年、このフェスのおかげで帰省費用が浮いています」とステージ上で笑うのは、大阪、兵庫、奈良出身のメンバーによる3人組、GRAPEVINE。1曲目の“FLY”から、オーディエンスをかっさらっていくかのような伸びやかなヴォーカルが、PLANET STAGEに響き渡っていく。ホームグラウンドの大阪でのステージだからだろうか、ギター&ヴォーカル田中はいつにも増して楽しそうな表情で歌っている。
「無理に盛り上がろうとせんでもいいからね。真っ昼間からディープな音楽やけど、しっかり付いてきてください」との田中のMC。ベースに金戸覚、キーボードに高野勲、どちらもすっかりおなじみのサポート・メンバーを迎えた5人編成で、深く濃厚な演奏を繰り広げていく。音楽もディープならば、音楽を介したオーディエンスとの結びつきもディープだ。PLANET STAGE中に温かく親密な空気感が広がっていった。ラストは2009年まで駆け抜けて行くような、怒涛のナンバー“その未来”で、2008年最後のステージを飾ったGRAPEVINE。「良いお年を!」とさわやかな笑顔を浮かべ、ステージを去っていった。