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“THANK YOU FOR THE MUSIC”で、暖かい手拍子と一体感を場内いっぱいに広げてスタートしたbonobos。蔡(Vo&G)の浮遊感たっぷりの歌声が心地よい。奏でられるバンド・サウンドとメンバー達の笑顔がまぶしい。この1曲目の時点で、お客さんの心はすっかりbonobosのものだった。
 軽快にステップを踏みながら踊れた“ICON”。雄大な横揺れを生み、終盤ではダイナミックな高鳴りへと転じた“天体のワルツ”が披露されてMCタイム。「今年は濃密な1年間でした。楽しいことをいっぱい経験させてくれてありがとうございます。フェスの時はこういう痛い感じの衣装で……」と蔡が語り、ステージ脇のヴィジョンに大きく映し出されたのは『フェスっ子ボノちゃん』のという萌えキャラが描かれたTシャツ。お客さんを笑わせたところで次の曲へ。リリースされたばかりの新曲“夕景スケープ”は、しっとりしたメロディが沁みた。“Night Apes Walking”はスペイシーなエレクトリック・サウンドを盛り込んだ酩酊感満載のダブ。そして、ラストの“GOLD”は、柔らかな感触のアンサンブルにうっとり。全篇でbonobosの魅力を堪能できたステージだった。(田中大)