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昨年に引き続きCOSMO STAGEへの出演となったOGRE YOU ASSHOLE。なんか既視感あるなと感じたのはそれだけが理由じゃなくて、出戸(Vo/G)の着ているシャツが去年とまったくおんなじだったからなのだが(昨年のクイック・レポート参照)、音のほうも相変わらず特殊というか、いつまで経ってもオリジナルなまんまだ。オルタナでもポスト・ロックでもポスト・パンクでもあり、同時にそのどれでもなく、無国籍で異次元なのにどこか日本的なグルーヴ。痙攣するギターと直線的なリズムに、気の抜けたようなヴォーカルがかぶさると、たちまち目の前に別世界が立ち現れる。その世界は淡い色彩で塗られ、懐かしいような匂いを発している。なんのこっちゃだが、そういうつかみどころのない言葉でしか説明できない空気がOGREのライヴには流れていて、その空気を呼吸するということが彼らのライヴを観るということなのだ。来年3月にリリースされるシングルの告知をしたほかはほとんどMCらしいMCもなく、淡々とセットをこなしていった4人だが、彼らが去ったあとには、気だるく心地いい雰囲気が残り香のように漂っていた。(小川智宏)