ものすごいものを観てしまった——。そこに居合わせた誰もが心底そう思わされるような、壮絶なライヴ・パフォーマンスをCOSMO STAGEでOGRE YOU ASSHOLEは見せつけた。
サポートメンバーだった清水隆史(B)の正式加入、ニュー・アルバム『100年後』のリリース、さらに来年2月に予定されているリアレンジ・アルバムの制作と、充実した2012年の極点に立つOGREの4人は、COSMO STAGEいっぱいのオーディエンスが待ち受ける中、静かにステージに登場。“バックシート”を演奏し始めると、全身の鳥肌が立つような快感が耳の奥に流れ込んで来た。夢うつつのように響く出戸学(Vo・G)の高音のヴォーカルと、重厚かつ変幻自在なバンド・アンサンブル。絶妙に絡み合いながら、低温でじっくりと炙るかのごとくじわじわと押し寄せてくる高揚感に、COSMO STAGEのオーディエンスの無数の手が高らかに掲げられた。
続く“フラッグ”でも、COSMO STAGEの陶酔感は留まるところを知らない。高揚感を加速させるリズムと、夢うつつへと誘うギターサウンド。COSMO STAGEは完全にOGREの宇宙にどっぷり飲み込まれてしまった。
圧巻は、3曲目に披露した、15分にも及んだ大作“ロープ(Long Ver)”。明るい音色のギターに、豪快なリズムが重なって、幾度となく絶頂に到達して行く。赤と緑色のライトに照らされながら、音に身を任せて演奏する4人が、もはや神々しく見えてくるほどだ。バックライトに照らされて駆け抜けたラスト3分の演奏の凄みは、彼らにしか手の届かないオルタナティブ・ロックの神髄と言うべきものだろう。「ありがとうございました。OGRE YOU ASSHOLEでした」と出戸が語ってライヴを終えると、オーディエンスからは拍手喝采。ライヴ後、呆気にとられる人が続出するぐらい、笑っちゃうほど圧巻のステージだった。(大山貴弘)
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