capsuleによる狂騒を経たASTRO ARENAに、「FREE THROW」のDJとしての活躍も名高い神啓文が登場。オープニングは抑揚を強調し、楽曲が持つドラマを最大限に増幅させた東京カランコロンの名バラード“ラブ・ミー・テンダー”。このいきなりクライマックスのような出だしから、tofubeatsの“水星”へと繋いでいく。ツボを突いた選曲ももちろんだが、中音域がふくよかに広がった音響が素晴らしく心地好い。観客も激しく踊るよりも、音楽に身を任せて次々と流れてくるフィーリングに酔いしれているようで、とても幸福なムードだ。
セットの合間には「ありがとう、超楽しいっす」と率直な言葉を述べ、すぐさまサニーデイ・サービスの“胸いっぱい”に繋げるという微笑ましい一幕も。そつなく器用なようでいて、ポロっと素が出たりするこの無防備さはなんともチャーミング。徹頭徹尾、本人が持つ自然体の魅力がそのまま音に現れたようなとても暖かいプレイを見せてくれた。（長瀬昇）
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