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この2012年12月にデビュー・アルバム『裸人』をリリースしたばかりで、なんと今回が初のライヴ。ただし、JAGATARAの南流石(Cho、Motion)を中心に集まったメンバーは、森俊之(Key)、Watusi(B)、佐藤タイジ(G/Vo/Cho)、大塚愛(Vo/Cho)、沼澤尚(Dr)というロック/ポップ・ミュージックシーンの大物ばかりというスーパー・バンド=Rabbitが、MOON STAGEに登場だ。オープニングに鳴り響くミニマル&ストイックなビートの中、ステージを一杯に使いながら男性ダンサーが生命力に満ち溢れたダンスを披露。他のメンバーも姿を見せたところに、南ともう一人の女性ダンサーもステップを踏んで夢見心地なトランス・ロック・サウンドが立ち上がってくる。黒いワンピースに真紅のストッキングと右手にはめた手袋が目に鮮やかな大塚愛がウィスパリング・ヴォーカルを届け、タイジの鋭角なギター・リフとコーラスが跳ね上がる“ドーナツスポット”だ。続いてはエレクトロなミクスチャー感たっぷりで届けられる“RUNWAY”で、南含め3人のダンサーが見せる振り付けに、オーディエンスが食らいついてゆく。このフロアごと持ち上げてしまうような高揚感はどうだろうか。更には、ユーモラスかつキャッチーなメロディラインを伝う大塚愛の歌声が、どこかエロティックなイメージまで忍ばせる“半熟たまご”である。個々のアーティストが音楽を通して描き出す生命力のヴァイブレーションが、Rabbitの表現の優れた多様性として次々に結実してゆくさまが素晴らしい。
「イェイェ。Rabbitでーす。よろしくお願いしますよー、新人バンドだから。平均年齢高いけどー」と余裕綽綽でのたまうタイジだが、南がメンバーを順に紹介してゆくとそれぞれに喝采が浴びせかけられる。南は自分のパートを「MC」と紹介していて、タイジが「MCなんだ!?」と突っ込んでいた。フリーダムだなあ。辿り着いた最終ナンバーは、リード・ヴォーカルをスイッチしながら賑々しく放たれるロック・チューン“Nikki”でフィナーレを迎える。これが本当に初ライヴかという、生命のエネルギーが無限に繋がって広がるような、ダイナミックなパフォーマンスであった。(小池宏和)
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