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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート



まずはバンドのメンバーとオーディエンスによるハンズクラップでステージが温められ、そこに登場したのはド派手なピンクのシャツを着こなしたスガ シカオ! 「今日はめっちゃ楽しんでってくれよー!」と叫ぶと“19才”でライヴをスタート。すぐさまファンキーでミステリアスな魅力を放出させると、オーディエンスも彼と秘密を共有するかのような親密さで体を揺らす。続く“はじまりの日”では、よりビート感を強めた曲調で高揚感をグイグイと高める。《“ねぇどこへいく?”“どこでもいく!”》という歌詞が、もうすぐ新たな一年を迎えようとしている今、希望を持って歌われる。

エレガントなシンセの音色でソウルフルに始まった“コノユビトマレ”ではスガ シカオのひとつの武器である甘やかなメロディがGALAXY STAGEいっぱいに広がり、たくさんの人を虜にする。その魅力に捕まった、たくさんのオーディエンスは手を左右にフリフリ。《自分のことあまり好きじゃない人 ぼくのこの指とまれ》なんて歌詞で、ここまで楽しげに盛り上がれるんだから音楽は面白い。

「ミンナモ、コエダシテ、ファンクシテクダサーイ!」と何故か外タレ風の!?MCで“したくてたまらない”へ。「今すぐしたくてたまらないんじゃないのか?」「ヘイヘイヘイヘイ!」なんて掛け合いで、奥にしまって閉じ込めていた欲望という名のビンの蓋が次々と開けられていくよう。そして「キエーッ!」という感じのスガの雄叫びから始まった“91時91分”でも、ヤバい階段をみんなで上っていくかのように迫りくるアレンジがアトラクションに乗ってるみたいで面白い。

そして今年、スガがソングライティングにおいて大きな手応えを感じたという“FESTIVAL”が丁寧に鳴らされ、R&Bもファンクもポップもロックも内包したその楽曲をどっぷり浴びさせてもらった。「僕は今日でライヴ納めになります。一番最後の曲、どうしようかなと思ったんですけど。来年も日本はかなりしんどい状況だと思うんで、この曲をセレクトさせてもらいました。知ってる人は一緒に歌ってください」と“Progress”を。イントロから歓声が沸いた、この名曲。柔らかなメロディに声という羽がついて、たくさんの人のもとへと降り注ぐ。それぞれの未来に《“あと一歩だけ、前に 進もう”》という想いを添えてくれたスガシカオ。誠実なリズムと明るい照明の中で、晴れやかな歌がしっかりと胸に届いた。(上野三樹)