かつてThe宇宙人sのメンバーとしてアマチュア・アーティスト・コンテストRO69JACK 10/11で入賞を果たした宇宙まおが、バンド解散後の2012年にソロ・アーティストとしてデビュー、『COUNTDOWN JAPAN 12/13』のCOSMO STAGEに登場である。元気いっぱいにステージ中央へと走りこんでくると、オープニング・チューン“ブルーナ”のイントロが響き渡るなり「COUNTDOWN JAPA~N!!」と満面の笑顔で両腕を掲げながらシャウト一発。疾走感に満ち溢れたロック・バンド・サウンドに、個性的で瑞々しいメロディと歌声が弾けてゆく。続いては、控えめなタッチのギターを爪弾きながら歌い出し、一転して痛快なコーラスが溢れ出る“ロックの神様”だ。優れた音楽が生まれ落ちる瞬間の奇跡的なインスピレーションを、若い目線でザックリと描き出す恐るべきナンバーである。「ありがとうー!」と一言告げると、今度はスタンド・マイクに専念して、激しいエモーションが爆音と共に転がってゆく“雨の予感”へと向かう。一箇所に立ち止まってなどいられない、とばかりにマイクを掴んで、大きなアクションを交えながらオーディエンスを煽りながら歌を届ける。
「こんなに大きなステージでやらせて貰って、本当に本当に幸せです! 集まってくれてありがとう! みんなの良い思い出の一部となれるように、精一杯歌いたいと思います。最後までよろしくお付き合いください!」といちいち拳を振りながら言葉を投げ掛ける姿はキュートで、まだあどけなさすら残っているのだけれど、カントリー風のナンバーに鍵盤ハーモニカの音色が浮かび上がる“みじめちゃん”や、じっくりと情景に歌心を滲ませてゆく“満月の夜”といった楽曲群には、卓越したソングライターの思いと技量が確かに息づいていて舌を巻く。「素晴らしいミュージシャンがたくさん集まっている中、宇宙まおを選んでくれて本当にありがとう! 私もみなさんに会えて嬉しいです。今年はいろんなところでライヴをやらせて貰って、今日がライヴ納めなんですが、えーと、来年もライヴをやるので、またどこかでお会いしましょう!」と感謝の言葉を告げると、最後は「恋してるかい!?」という一声から必殺ナンバー“あの子がすき”が、華やかなバンド・サウンドの中でクリスピーに歌われる。彼女のソロ・キャリアはまだ始まったばかりだけれど、どこまでもフレッシュでリアルな思いを伝える楽曲の数々が、触れた者の胸に残るステージであった。(小池宏和)
宇宙まお のCOUNTDOWN JAPANクイックレポートアーカイブ