3年連続の出演。日本のロック・シーンにおいて伝説の存在のひとりと言っても過言ではない、佐野元春。しかも、百戦錬磨の「おおっ！」と唸ってしまうメンバーが、THE COYOTE BANDには揃っている。ライヴはインストゥルメンタル・ナンバー“COYOTE Theme 2013”で幕開け。しばらくバンドが演奏を続けていると、いよいよ佐野元春がステージへと走り出してきた。繋げるように始まったのは、“アンジェリーナ“！ 「今夜も～愛をさがして～」と、リアルタイム世代じゃなくても口ずさめる名曲だ。そして、佐野のブルースハープからはじまった“スターダスト・キッズ”、佐野がハンドマイクで踊るように歌った“国のための準備”と、熱演が続く。それにしても、ツアー中とはいえ、歌と音のみずみずしいことといったら！ たとえ、曲を知らなくても体が自然と揺れるような気持ちよさだ。さらに、今年リリースされた“ラ・ヴィータ・エ・ベラ”で、進化を刻みつける。「元春！」と飛び交う声に、「ありがとう」と返し、「もし知っている人がいたら、一緒に歌って下さい」と言ってはじまったのは“サムデイ”！ サビでは、フロアの後ろの方まで手が挙がる。この曲のように、いつまでも、ああ聴けてよかった!ってしみじみできる、多くの人にとってのプレゼントみたいな曲を、若いアーティストにも生み出していって欲しいなと、思いを馳せてしまった。さらに、壮大な“ロックンロール・ナイト”を高い天井いっぱいに響かせて、ラストナンバー“悲しきレイディオ”へ。「この素晴らしい幕張の夜！」など即興で歌詞を変えながら、ロックンロールへの愛情をピュアに歌い上げていく。その思いはオーディエンスにも広がり、♪I LOVE YOU、♪YOU LOVE MEと幸福なコール&レスポンスが起きていた。ロックンロールは、世代が混じり合って続いていく。そんな素晴らしい事実が、ここにあった。(高橋美穂)
佐野元春 のCOUNTDOWN JAPANクイックレポートアーカイブ
