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 新年が近づく足音を破壊的な爆音で彩ってみるのも乙なもの。この時間帯に味わったインスト・バンドtéは、全身から何かが噴出してしまいそうなくらいにヤバかった! 1曲目“人間は自由なものとして生まれ、至る所で『鎖』につながれてゆく。”で、準備体操なしに全力疾走を始めるかのように強烈に幕開け、ヒリヒリした興奮で身も心も引き裂かれそうであった。ステージにめり込みそうなくらいパワフルなtachibana(ds)のドラミングに震えながら、kono(g)、hiro(g)、masa(b)は爆音を放出し続け、時には楽器を棍棒のように振り回したりもしつつ、お客さんを暴力的に巻き込んでいった。

 「♪ポニョポニョ さかなの子~」、昼過ぎから酒を飲み続けて過ごしていたのだというmasaの奇妙な歌がMCタイムで繰り出され、和んだ場面もあったが、それ以降は暴動寸前の爆音天国! 静と動のパートを交わしながら天井知らずで燃え上がった“言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に『過』ぎぬ。”を経て雪崩れ込んだラスト・チューン “死闘、勇鋭、死憤、励鈍、倖用、待命、陥陳、勇力、必死、冒刃。”では、「手拍子」という域を遥かに超えた殺気を帯びたクラップ音&咆哮がステージと客席の双方で轟いたのであった。このあまりにも熱気に2009年が恐れをなして逃げ出したのではないか?と思えるくらい、téのライヴはとんでもなかった…。(田中大)