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SEと共に暖かい手拍子が湧き起こり、早くも素敵なムードに包まれたムーンステージ。そこに現れたWEAVERが最初に届けてくれたのは、最新曲“ドキドキセカイ”だった。雄々しく黒光りするピアノを杉本(Vo&G)が立ったまま連打し、キラキラしたメロディが流れてゆくのが快感で仕方ない。美メロ&美ハーモニーでありながらもビートが強い彼らの音楽性は、ライヴ・バンドとして最高の効力を発揮していた。そのまま立て続けに“レイス”へ。ステージ中央の奥野(B)の骨太なプレイ、上手側の河邊(Dr)のしなやかな躍動感、下手側の杉本のピアノと歌によるメロディ&ビート……3人のコンビネーションは本当に絶好だ。「横一列」というユニークなフォーメーションから生み出されるアンサンブルの美しさに誘われて、セットリストが進行する毎に、フロアはお客さんで一杯となっていった。
“2次元銀河”のエネルギッシュなサウンドでフロアを大いに熱く揺らし、そろそろMCタイムか?と思いきや、なんとラスト・チューン“66番目の汽車に乗って”へ! 流麗なメロディに合わせて幸福な手拍子がお客さんの間から湧き起こる。クライマックスでは一心に弾きまくる3人を、お客さんたちはうっとりと見つめながら、身体を柔らかに揺らしたのであった。演奏を終えると“ありがとう! WEAVERでした”と、メンバー3人は笑顔で手を振りながら去っていった。とにかくひたすらに演奏を届けることに徹したステージ。WEAVERの魅力は、集まったお客さんの奥深くまで染み込んだに違いない。(田中大)