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終盤戦を迎えたMOON STAGEに上がったのはWEAVER。12月20日、21日の渋公2デイズを含むツアーを終えたばかりで、ライヴ・アクトとして充実しきった状態にある。
一度暗転したステージに再びライトがついた時、既にメンバーは各楽器の前にスタンバイしていた。すぐさまカウントが入り、1曲目の“トキドキセカイ”へ。杉本の清々しくも芯のある歌声、シャープなアンサンブルから放たれるサウンドは、まるで、室内の空間に風が吹きぬけるよう。メンバーの配置はドラムが奥まらない、横一線。向かって右にドラムス河邉、センターにピアノ&ボーカル杉本、左にベース奥野。しかもドラムは斜めを向いているので、演奏の所作がよくわかり、かっこいい。杉本、河邉が楽器を離れられない分、奥野が前線で機動力を発揮する。続いて、ニュー・シングル“笑顔の合図”のカップリングとして音源化された、活動初期からのライヴ定番曲“66番目の汽車に乗って”。ピアノ・トリオのロック・バンドならではの弾けるポップネスが凝縮されている点において、WEAVERというバンド元来のコンセプトがとてもよくわかるナンバーだ。“2次元銀河”のイントロでは、河邉がバスドラを踏みながらスティックを宙に放り投げる! 自由になった両手でオーディエンスに手拍子を煽り、さらなるファスト&パワフル・モードに舵を切る。そして「ラスト盛り上がっていくよ!」という杉本の叫びとともに、畳み掛ける“管制塔”。ここで再び奥野が前線に突入。今日のWEAVERは緩急封印、攻め曲オンリーの4曲構成で、ひたすら加速していくイメージを残して駆け抜けた。勢いの分、エンディングで全員タイミングを合わせて音を出して終わるべきところ、杉本がひとり突っ込んでしまい、やり直したのはご愛嬌。オーディエンスからも(あったかい)笑い声が上がった。(斉藤知太)