「みなさん、こんにちは! のあのわです!」と、フロントのチェリストにしてボーカリスト・Yukkoのグリーティングから始まったステージは、まるで天空からポップの魔法が降り注ぐような夢見心地の30分だった。9月に1stアルバム『SPECTACLE』をリリースし(その直後にはYukkoのチェロが盗難されるという受難も……)大きな注目を集める中でのステージとあって、開演前からCOSMO STAGEには大勢のオーディエンスがスタンバっていたのだけれど、冒頭の“ゆめの在りか”から、おとぎ話から飛び出してきたような5人の音楽隊がカラフルで幻想世界を場内に広げ、集まったオーディエンスを丸ごと「此処ではない何処か」へ誘っていくのだった。
中盤に「改めまして、カウント・ジャパンこんにちは!」と再びYukkoがMC。「カウント・ジャパンじゃないよ、カウントダウン・ジャパンだよ!」とすかさずキーボードの荒山が突っ込み、曲間でも抜群のチーム・ワークを見せるのあのわである。中でも目を引いたのはYukkoのパフォーマンスで、チェロの弓を大きく振りかざしたり、時にはチェロから離れてステージ前で気持ちを振り絞るように歌うその姿には、観てるだけで楽しくなってしまう高揚感と、観ていて胸が苦しくなってしまうような切実さの両方があった。「みなさんありがとうございます! 2009年はホントにいろんなことがあって、後半は悔しい思いをすることもあったんですけど、すごく特別な年になりました。1年間ずっと助走をしてきたので、来年はジャンプする年にしたいと思います!」(Yukko)と力強く宣言し、最後は“SPECTACLE”で多幸感溢れるフィナーレを飾ってくれたのあのわ。2010年の大ジャンプ、期待してます!(奥村明裕)
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