まずはSEに乗って、演奏陣の男性4人が登場。全員白シャツに黒のハットで揃えたいでたちで、早速観る者をファンタジックな空気へと誘う。そして1曲目“Pee-Kaa-Boo”のイントロに乗ったYukkoが、数え切れないほどのピンク・バルーンを手に登場。魔法の言葉を連呼する、おまじないのようなナンバーで冒頭からどんどん場内を彼らの色に染めていく。Yukkoが手のバルーン達をアンプにつなぎとめたところで続けざまに始まった2曲目“星が見える日は”は、その勢いをさらに強めていくロック・ナンバー。 フェスらしい陽性モードの展開ながら、一方で、ところどころに毒っぽさが含まれているのも、彼らの音楽のポイント。中盤、ギターの断続的な金属音に導かれて始まった“Namida,Porori”、そして間奏でのチェロの響きがヒステリックに鼓膜に染みわたる“Sweet Sweet”など、曇り空と陽光が交錯するような丁寧にしてダイナミックなアレンジで、聴く者の耳にのあのわの何たるかをしっかりと提示していく。 そして終盤は“STAR HOUSE”で、愛らしさ漂う歌声の上を豪快にシンセが暴れるミクスチャー・サウンドを披露し、オーディエンスの度肝をぬいた後、「今日はぜひ楽しい一日を過ごしてください。最後の曲です」というMCと共に、スピード感たっぷりの“もぐらは鳥になる”で締め括るという展開で、最後までアッパーな空気に包まれた30分。4日間の幕開けにふさわしくCOSMO STAGEの温度を思い切り上げて「よいお年を!」の一言と共に、颯爽と彼らはステージを去っていった。(小池清彦)
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