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「もう一歩前にお詰めください!」とスタッフの声が飛び交い、開演20分前にはお客さんですし詰め状態となったフロア。そんなものすごい待望感でみんなが待ちわびていたのは、最終日のMOON STAGEのトップを飾ってくれるCocco! 「いちばん小さいステージで」という本人たっての希望があったそうだが、この規模でCoccoのライヴが観られるのは行幸という他ないだろう。定刻通り、バック・メンバーと共に花束を抱えて登場したCocco。「あっちゃん!」との歓声も飛ぶなか、ライヴは“Raining”から幕を開けた。アコースティック・ギター×2、鍵盤のしっとりとした伴奏に乗って、MOON STAGEを潤すように“あの声”が響き渡る。それは、凛とした、とても力強い歌声だ。続く“愛について”でCoccoは、手にタンバリンと鈴を持って歌唱。沖縄の島言葉で歌われた“絹ずれ”では、何かに挑むように、ただひたすら前だけを見据えて歌うCoccoに誰もが釘付けとなった。“バイバイパンプキンパイ”の間奏ではパーカッションを叩いて無邪気な笑顔も見せ、最後に“強く儚い者たち”を届けて「みんな、ありがとや。来年も歌います。よいお年を!」と大きく手を振ってステージを去ったCocco。来年も、その歌声を届けて続けてほしいと強く思う。一人でも多くの人の心に。(奥村明裕)