メニュー


今年は4月にミニ・アルバム『Rum Hee』をリリースし、「ROCK IN JAPAN」を含む多数の夏フェス出演のほかヨーロッパ・ツアーも敢行。そんな充実した1年を締めくくるこのMOON STAGEでのライブだ。開演の頃にはフロアも大勢のお客さんで埋まっている。トクマル含む5人のメンバーが半円状にポジショニングし、「ちょっと難しい感じのノリになってしまうかも知れないんですが、自由にノっていただいて、自由に歓声を上げていただければ僕は大満足で今年を終わらせることができるんですが(笑)。では、よろしくお願いします!」と語って“VISTA”が鳴らされるや、MOONのムードは一変。ドラム、アコーディオン、ピアニカ、ウクレレなどが奏でる(メンバーは曲毎にとっかえひっかえ楽器を持ち替えるのです)、メルヘンチックかつ目まぐるしく展開する独創的サウンド・スケープが聴き手を残らず異界へと誘っていく。続けて“PARACHUTE”のアコギ・フレーズが鳴らされれば、「ワーッ!」という大きな歓声が沸きあがった。「今年は、ホントにありがとうございました! いろいろと有り難いことがあって、みんなにも有り難いことがあったと思いますが、えっと、有り難い……いや、もうダメですね!」とMCこそブロークンだったけれど(笑)、音のイーハトーブ(理想郷)とでも言うような世界を堪能した贅沢な時間だった。ライブ中「アルバムを作って来年の春に出そうと思ってます」とも語っていたので、2010年の動向にも引き続き要注目だ。(奥村明裕)